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心地いい部屋でここちいい音楽を | プログレ狂のオーディオ野郎とインテリア好きな平凡な私のブログ

やるしかないと思った。衝撃の恐喝事件を告白する!

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恐喝されたことあります?俗に言う、カ・ツ・ア・ゲ。中学生、高校生男子はゲーセンなんかで経験が、おありかもしれません。え?あなた、やってた?おいおい。

あれは職場での送別会。全国チェーン的な居酒屋で行われた。キレどころが全然よめない瞬間沸騰系上司が、めでたく定年退職されるという、気持ち晴れやかな心躍る会に参加した日のこと。

 

会費おひとり様5000円なり。「さて、お開きです」と幹事が集めだし、あいよ!と5000円札を手渡した。お釣りはいらね~ってね。

 

ほんじゃ、また!と上司の顔をみた。仕事が趣味と豪語していた上司に、暇な退職後は瞑想と運動を薦めたい。きっと新しい世界が君を待っている!とか思ったけど言わないまま解散となった。

 

私は、ひっそりと個人事業をやっている。この日、送別会の後に仕事の打ち合わせがあった。だから、アルコールは飲んでない。つか、時間短縮のために車で来たんだった。

 

 

急げ!急げ!待ち合わせに遅れてはならぬ。5分、いや10分前には到着の精神!今時、どこの家がベッドメイキングやるんだよ、と思ったよね。高校入学直後のオリエンテーション合宿。そこで習ったでしょ?5分前の精神ってやつ。

 

 

駐車場はその居酒屋の2階。ビルの脇の鉄骨階段をカンカンカンと駆け上がる。どのあたりに止めたっけ?と見渡して、あっちのほうに車を見つけて駆け寄る。待ち合わせ時間に間に合うかな?少し、慌てた。

 

駐車券はダッシュボード。よし、出発!エンジン全開。出口に向かう。駐車場の出口ゲートにきて、駐車券を投入。料金が表示された。えっと、200円ね。

 

財布を広げ、小銭入れを開けてまずは100円を入れた。そして、もう100円を手探りで探す。あった、あった。

 

と、思ったら1円だった。もう一度、手探りで探す。よしよし、あったあった、と思ったら・・・

 

 

100円玉がない・・・そして、札入れには、20ドル札が1枚。なんでやねん。精算中止!中止!中止ボタンを押すんだよ。どれだよ、中止ボタン!

 

バックミラーをチラッとみると、黒く光る、いかつい車が、ゆっくり後ろに並んだのが見えた。やっべ、あと100円、はよ。どっかにあるはず!諦めるな!

 

係員を呼ぶ的なボタンもない。

 

あ!緊急時に備えてダッシュボードにがま口があったはず。そう、それ。京都で買ったピンクの和柄がま口!あの中に500円玉が入ってる!

 

慌ててダッシュボードを開いて、がさがさ漁る。がさがさ漁る。漁る。漁る。

 

みつかんねぇ。和柄がま口が、みつかんねぇよ。

 

ファーーン!

 

ここで、黒光りのいかつい車から、クラクションを1発、お見舞いされた。恐る恐るバックミラーをみると、若いお兄ちゃんのようです。そんなん確認してる場合か!はよ!

 

運転席の下、助手席の下、マットの下、100円玉を求めて、這いずりまわった。

 

 

どこにもない。100円玉がみつからねぇ。

 

死んだふりでもする?ゲートを折って逃げる?それとも、外にでてSOS手旗信号でも送ってみる?

 

 

あ、もしかしたら後部座席とかに、運よく100円玉が落ちてるっていうラッキーもあるよね。後部座席に飛び移って、足元をくまなく探す。

 

 

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なまけもの、なまけものが舞い降りてきた。つか、なまけてないっつーの。100円玉だけを求めて一心不乱。どんなに可能性が低くても、アナタの夢を諦めないで。

 

ファーーーン

 

はい、2本目、いただきました。怒りのクラクション。

 

決心したね。私、婦人警官じゃなくて良かったよ。懲戒免職くらうとこだった。「婦人警官が恐喝!」新聞の1面、いや、ヤフーニュースのトップを飾るところだったわ。

 

でね、車の外に出た。待ってろよ、精算機!

 

なまけものスタイルのあたりから、ちょっと背中がつってしまい、背中を丸めて、フラフラ歩く。痛みでしかめっ面。冷や汗で髪はバラバラ。暗闇から現れた。あれ?お化け屋敷かな?

 

黒光り車の運転席のところにヨロヨロと行く。

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クローズの滝谷じゃないか!どこに売ってっかしらんけど、斜めに傾いた眼鏡がキラリと光った。気が付けば、滝谷の車の後ろにも、後2台、車が並んでた。オーマイガー。

 

 

ドンドンドン!

 

窓を叩いたら、滝谷の顔がひきつった。「な、なんだよ」という声がした。声が意外と高い。声変わりしそこなった?いや、そんなことはどうでもいい。

 

ひゃ、ひゃ、100円、く、ください。枯れた声を絞り出す。

 

「あーん?100円がどうしたって?」いきってソプラノボーイ滝谷がいう。聞きとろうと、少しだけ窓を開けた瞬間。両手で窓をがっちり掴んだ、ぶらさがってしまえ、くらいの勢い。妖怪が窓にくっついてる。

 

 

100円くれ!

 

どういうわけか、なにモードのスイッチなのか、短い単語となって私の気持ちを表現してしまった。滝谷の姿勢が引きだった。ちょっと怯えている感触があった。よし、このまま、もらってしまえ。彼の恐喝バージン。悪いようには、しないから。

 

滝谷は後ろポケットから財布を出した。クロムハーツだかなんだか知らんが、そのようなシルバーごてごてのチェーンがついていた。どんだけ厳重警戒なんだよ。

 

そして、小銭入れから100円を取り出すと

 

親指と人差し指で100円を摘まんで、引きの姿勢をさらに引いて、できるだけ近づかないような体勢にして、無言で差し出した。

 

窓がね、10センチくらいしか、開いてないんですけど。ビビってんじゃねぇよ。もっと開けろよ。100円に届かねぇよ。妖怪は前のめり。

 

ツーーっと5センチほど、窓が下がった。どんだけ怖がってんだよ。

 

摘まんだ100円にどうにか手が届き、めでたく100円をいただいた。その瞬間、窓をツーーと閉めた滝谷であった。

 

滝谷君、あの時は本当にありがとう。アナタの好意で私は無事、精算できました。

お付き合いくださり、ありがとうございました。

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