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心地いい部屋でここちいい音楽を | プログレ狂のオーディオ野郎とインテリア好きな平凡な私のブログ

セクシー橋本さんと一緒に住んでいた

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私が高校生の頃、私達家族は橋本さんと一緒に住んでいた。ホームスティに来ている人ではない。橋本さんは毎晩、よく出かけていた。

しなやかで妖艶な歩き方、そのカラダから優しくふんわりと出るフェロモンがオトコたちを魅了するのであろう。

オンナの私から見ても、彼女はとてもチャーミングでセクシーだった。

彼女自身も抑えきれない欲望を持て余し、とっかえひっかえ一夜限りのアバンチュールを堪能していたのかもしれない。

ヒラヒラと可憐に舞う夜の蝶となり、花となった男たちを虜にする。

 

そんな橋本さんは、昼間はほとんど家で過ごしていた。

仕事はしてない。

 

ごくたまに夕食の時間に居ない日があった。

何も言わずに出て行ったから、ふらりと散歩でもしているのだろう。

玄関の外に出て

 

橋本さーーーん、橋本さーーーん!!!

少し大きな声で呼んでみた。

  

しばらくすると橋本さんが戻ってきた。

何事もなかったかのような顔で食事を始める。

いただきます、も言わずに。

さすがに、お行儀が悪いでしょう、と

少し強い口調で指摘するのだけど、橋本さんはチラッとこっちを見るだけで、反省する様子もない。

 

 

ある日、橋本さんの様子が少しおかしかった。

明らかに元気がなかった。食欲もあまりないようだった。

心の病気というよりは、身体の病気のようだった。

心配になったので、病院に行くことになった。

 

初診の記入を済ませ、名前を記入する。

診察を待っている間、橋本さんは病院の外を見ていた。

何かを探して飛び回るカラスをぼんやり見ていた。

 

「橋本さーん、診察室にお入りくださーい」

診察室からカルテをもった女性が出てきて、案内してくれた。

 

 

 

橋本さんは妊娠していた。

相手が誰だかわからないという。

 

彼女は現実が受け止められないのか、悩んだ様子が全くなかった。

問題視しているようにみえなかった。

この命を大切にしたい、とか。どんな事があっても乗り越える、とか。

決心した様子もなかった。

 

この事実を忘れてしまっているのではないかと思うほど、橋本さんはいつもと変わらない。

肝が据わっているのか、それともアホなのか。

橋本さんのウエストのあたりの膨らみは、少しずつ大きくなっていった。

 

 

そして、とうとうその時がきた。早朝だった。

寝起きの悪い私にシビレをきらして、2階まで駆け上がってきた母が

 

「ちょっと、梨子!橋本さんが!」

 

私の部屋に入るなり、聞いたこともない大声で叫んだ。

目が覚めたばかりの私の視界に、小さなネズミのような生き物が飛び込んできた。

 

そのネズミたちに愛おしそうに寄り添う橋本さん。

私のベッドの上で産み落としたのだ。

私が寝ている、その間に、たったひとりで。

 

 

そして彼女は夜の蝶から立派な母となった。

 

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最後まで、お付き合いくださりありがとうございました。

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