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血まみれの鳩、坊っちゃん

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鳩

鳩は好きですか?平和の象徴なんていわれたりしますが、ベランダに糞をするので、不衛生だからと嫌う人も多いですね。

 

初めましての方も、また来てくださった方も、こんにちは!

何年か前のお正月休みのこと。

その時のお正月休みって、ひどくテンションが低かったんです。

相方のうつ病の始まり、というか真っ只中でした。

元旦に友人がよんでくれたので、遊びに行ったんですけどね。

ちょうど、子供の頃の事がフラッシュバックし始めてて。

記憶から消えていた両親の言葉や友達から受けたイジメをどんどん思い出して。

友人宅からの帰り道、子供みたいに泣いたり叫んだり。

相方は泥みたいな顔色でしたよ、お正月中ずっと。

貴重なお正月休みに、そんな相方に付き合って私まで、胃が痛くなりましてね。

お正月最終日にね。

少しでも気分をあげるために、美味しいものでも食べに行こうと。

無理やり誘って外に出ようとしたんです。

胃が痛いのに、無茶しますね。

 

そしたらね。

玄関ドアを開けて、目に飛び込んできたのは。

 

鳩。

 

その時、10階に住んでいたんですよ。

鳩が座ってるんです。

玄関前にですよ。

うずくまってる、というのが正解でしょうね。

 

よーく、見たら羽根が散らかってて。

え?もしかしてケガしてる?

相方が鳩の近くにいくと、嚙まれたような大きな傷がありました。

血まみれでした。

これは、いそいで病院に連れていかなければ!と。

相方は段ボールを持ってきて、鳩を入れました。

まわりに何枚かのタオルを囲んで、とりあえず保温しました。

時刻は18時少し前。

徒歩10分のところにある動物病院があいているようだったので、急いで段ボールを抱えていきました。

 

動物病院について、受付の女性に鳩の事を話します。

とりあえず少しお待ちくださいと言われ、相方は段ボールを抱えたまま待ちました。

受付の女性が先生に何かしら話をしたようで。

「申し訳ありません、野鳥は扱っておりません」とあっさり言われました。

 

相方は、お正月中どんよりしていたのですが、その言葉にカチンときたのか

「野鳥といっても命なんですから、助けてください!」と大きな声でいいました。

その内容には賛成ですが、そんな大きな声がでるんだったら、もっとお正月中も元気に過ごしてくれよ、と思ったりしました。

そして、相方は段ボールを抱えたまま、先生がいる診察室にガツガツ入っていき

「このまま見殺しにするんですか!」と前のめりに言いました。

 

そんな中、九官鳥の患者さん、というのが正解なのかわかりませんが、とにかく九官鳥をつれた人が来ました。

「お願いですから、治療してください!この鳩を助けてください!」

と相方が言ったら、

待合室から

「ありがとー!ありがとー!」と九官鳥の高い声が響いて、なんだかシュールでした。

 

揉めること30分。

待合室に戻ってきた相方の手に、段ボールはありませんでした。

どうやら、粘り勝ちしたようです。

「1か月2万円で入院させてもらえることになった」と言いました。

 

もちろん、鳩の命は大切です。

でも、いきなり、この場で2万の出費を言い渡されると、え?と思ってしまったのは事実です。

冷たいですか?でも、ちょっと驚いたんです、仕方ないです。

私は過去に、ケガをしているスズメを病院に連れていったことがあります。

その時の先生は逆に、野鳥だからお金はいりませんと言っていたんです。

まあ相方がそれでお願いしてきたのだから、特に何もいいませんでしたが。

もちろん、2万ならやめようよ、なんて言うつもりはありませんけど。

 

そして次の日から仕事が始まりました。

夜遅くにしか帰れない相方でしたから、鳩の様子を見に行きたいといいながら、全く行くことはできませんでした。

1か月後、動物病院から電話があり、

「完治には、もう少しかかります。料金ももう少しかかります」と言われたそうです。

そして、それから2週間後、完治の連絡が入りました。

その間に相方は鳩に「坊っちゃん」という名前をつけていました。

由来は聞いてません。

まあ、そんな感じだったんでしょう。

 

坊っちゃんを迎えに行った相方は、坊っちゃんの元気な姿を見てとても喜んでいました。

これから、近所の神社に連れていきます。

そこの神社には鳩がたくさんいるのです。

 

さあ、野生にかえす時がきました。

神社について、鳩が大勢いる鳥居のあたりに行きました。

「馴染めるかなあ、大丈夫かなあ・・・」

相方は心から心配していました。

坊っちゃんが玄関にうずくまっていた時のことを思い出し、病院で先生に必死でお願いした事を思い出し。

思いを巡らせ、相方は坊ちゃんをじっと見つめ両手で抱き上げました。

そして、そっと地面において、しみじみと語りかけました。

 

「坊っちゃん・・・もう

 

 

お父さーん、来て来て!

ほら、いっぱい集まったよ!

相方の1メートル先で小学生の男の子が鳩に餌をあげ始めました。

 

「坊っちゃん?」

坊っちゃんは、相方の別れの言葉を最後まで聞かず、飯につられ姿を消しました。

小学生の男の子に群がる鳩の中から、坊っちゃんを必死で探しました。

鳩全員がほとんどグレーに白い模様で、もはや区別がつきません。

 

「ぼっちゃん!どれー?!」

別れは突然に訪れるものですね。

 

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