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心地いい部屋でここちいい音楽を | プログレ狂のオーディオ野郎とインテリア好きな平凡な私のブログ

16歳の乙女が迷い込んだ薄暗い場所

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最終バス

夢か現実か区別がつかなくなる時ってありませんか?

 

初めましての方も、また来てくださった方も、こんにちは!

高校生のとき、部活で県外に行くことがあって。

あの日も、電車とバスを乗り継いで、とある高校で練習試合。

今日も、1日お疲れ様でした〜つうことで解散!

初上陸の地でアチコチ寄り道してたら、遅くなっちゃった。

早起きしたし、試合は散々だったし、1年生だし。

まあ何かと大変なわけで。

何が大変って、ほら。

今思えば、歳の差がたった1つとか2つ上なだけなのに。

部活の先輩方は上手いとか下手とか関係なく、崇めるルールね。

 

特に3年生の大島先輩にね。

返事が小さい!って言われて、ハイ!

早くして!って言われて、ハイ!

それ持っきて、って言われて、ハイ!

これ持っていって、って言われて、ハイ!

ハイ、ハイ、ハイ!

何回、ハイを言わせんの。

 

そんな上下関係を学ぶ場から解放され。

重い足取りで、バス停まで歩いて時刻表を見たら。

おっと、次が最終!

あっぶねー。

田舎のバスは店じまいが早い。

 

これに乗れば、電車にうまく乗り継げる!

そして最終バスが現れた。

乗り込んで、周りを見渡すと。

1番後ろの左、窓側が空いてるわ!

白髪の品のいいご婦人に「すみません」と言いながら

前を通って席についた。

あーもう、くたくた。

身体を窓にあずけ、外の景色をぼんやり見てた。

広がる田園風景が私の省エネモードのスイッチをオン!

 

・・・

青いベッドの上で目が覚めた。

ちょっとカビ臭い気もする、このベッド。

やだ、わたし。

遠征試合の夢を見てたんだ。

ちょっと、大島先輩!

夢にまで出てきて怒んなっつーの。

なんだか身体がしびれちゃってるよ。

いてて。

 

うす暗い部屋の中で

うーん、と伸びをして起き上がる。

いま、何時だろ?

あれ?制服のまま、寝てる?

あれ?靴も履いてる?

 

 

バスの中だった。

暗いバスの中にひとり。

シートに横たわって寝てた。

誰もいない。

誰も座ってない。運転手もいない。

全然、動いてない。

ない、ない、ない!って、これドッキリかな?

 

期待して、ちょっと待ってみたけど。

どうも~、ドッキリで~す。

そんな看板を持って登場する人は来ない。

 

もしかして、ここはあの世?

あのバス停で乗り込んだバスは、あの世行き?

乗っていた白髪の品のいいご婦人は、何年か前に亡くなった方?

タララララン、タララララン。

世にも奇妙な物語か!

 

いったい、何故こんなことに?

 

目をこらして窓の外を見ると、隣にもバスがある。

その隣にも、その隣にも。

どうやら、ここは車庫のようだった。

前方には、灯りがついた事務所みたいな建物が遠くに見えている。

 

バスには鍵がかかってて、どこをどうすれば開くのか

暗くてさっぱりわからない。

ドアを叩いたけど、事務所までは聞こえない。

私は小学校の時、音楽が5だったからね。

先生が、梨子ちゃんは発声がいいって、そう言ってたから。

もうね、オペラか!って声で、

腹から声だしたよ。

命がけだよ。

すみませーん!!

 

反応がない。声、届いてない。

事務所に異変はない。

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実は、少し前から私の身体が訴えてる事があって。

その訴えが、どんどん強くなってきてまして。

まあ、それは生理的なことなのよ。

そう、尿意。

どんどん近くなってる。

 

はやく脱出しなければ、16歳の乙女がお漏らしって。

もう、窓ガラスを割る勢いで叩くしかねーよ。

なんなら、割ってそこから脱出するよ。

ガッシャーン!

スタ!と着地、タタタタタと走って目的地へ。

 

とか、ならないよ。

アクション映画じゃあるまいし。

ケガするよ。

 

とにかくね。

漏れるよ、漏れる。ガチで漏れる。

ひたすら窓を叩き続け。

って、そんなに窓って叩けないもんよ。

手が痛い。

 

あー、これが今の世の中ならね。

スマホだしてさ、家に電話するわけ。

あ、お母さん?

あのさー、今ね、バスの中に取り残されちゃってさ。

え?なんでかって?

知らないよ、そんなの!

いいから、早くバス会社に電話してくれる?

うん、じゃーね。

 

当時はそんなもの、ありませんでしたからね。

灯りがつくものさえ、持ってない。

SOSのサインも出せやしない。

ピンクレディーのSOS。
今日もまた 誰か乙女のピンチってこれ、わたしだよ。

 

うっ!

あっ!

股間にかすかな湿りを感じた、その時!

 

みゃ~。

外で子猫の声がした。

幻聴?

 

スタスタスタ。

誰かが歩いてくる足音!

だれ?誰なの?

 

ミーちゃん、待ってたあ?

ご飯、持ってきたよお

中年のおっちゃんの声。

 

おっちゃーん!

ミーちゃんより、こっち、こっち!

ミーちゃんのご飯は後でいいから、こっち!

ドンドンドン!力の限り、窓を叩く。

今日はどんだけ窓を叩いてんだろ。

 

やっとおっちゃんが気が付いて。

事務所の人に言ってくれた。

ていうか、おっちゃん、バスの運転手だし。

あぶねーあぶねー

乙女のお漏らしを披露するとこだった。

 

どうやら、私は1番うしろの席に横になって寝てしまい。

前の席にすっぽり覆い隠されててね。

運転手さんが見渡して確認したらしいんだけど、わかんなかったらしい。

天狗の隠れみのでも、持ってるんじゃないのー?

といって見事にスベッてた。

16歳の乙女をバスに閉じ込めておきながら、アンタさすがだよ。

え?横になって寝るほうが悪い?

 

今、考えたら、エンジンがかかってなくても、クラクションなるよね?

そんな事、思いつきもしなかったよ。

※ 随分と昔の話だから、今はしっかり管理されていると思います!

 

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