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結婚式の秘密!招待状をもらったけど宛名が謎だった!

投稿日:2017年4月12日 更新日:

結婚式の秘密

結婚式に秘密なんてあるわけない!と思ってました。

招待状の宛名が私の名前じゃなかったんです。その名前で出席してほしいと・・・

2016年、去年の10月に結婚式に出席したんです。

人生最大のイベントです。

おめでとう!言葉のシャワーを浴びて、新郎新婦はキラキラの笑顔で幸せいっぱい。

モデルのような細身で美しい新婦。

白いウェディングドレスがとても似合っていました。私はその結婚式に出席しながら、私はあることを思い出していたのです。

もう、かれこれ7年くらい前。

ある日、親友から相談がある、と電話がありました。

 

それは、結婚式に出席してほしいという内容でした。

そんなの相談のうちに入んないよ~お安い御用!と軽く返事をしときました。どこのホテルかな~どんな料理かな~。

鯛よりロブスターが好き!

ロブスターとかあるといいな~なんてね。

親友が結婚式の招待状を手渡したいというので、土曜日に近くのカフェで待ち合わせました。

 

少し早く到着した私は、イヤホンで音楽を聴きながら、置いてあるファッション雑誌をペラペラとめくり、ふんふんふんと鼻歌まじりで、彼女の到着を待っていました。

すっと音もなく目の前に彼女が現れ、ふわっと座りました。

 

こわっ。どことなく深刻な顔つき。

久しぶり!

と私が言いかけたのを被せて彼女はこう言いました。

 

「ねぇ、本当に結婚式に出てくれる?」

 

おい!挨拶は人間の基本だっつーの!なにこの威圧感。

 

結婚式の招待ってのは、もっと浮足立ってて、お花畑をスキップするノー天気なやつ。

さぁ、一緒に踊りましょう!

うふふふふ、あはははは。つか、あんた、すでに結婚してるけど、これって誰の結婚式のご招待?

 

そんな私の疑問なんて、知ったこっちゃない。

親友は気合十分、すげー真顔で

「じゃ・・・これ!!」

と招待状を私に叩きつけた。

果たし状かよ。

宮本武蔵かよ。

 

今日の親友、めっちゃ無礼者なんだけど。誰かの手下?

どれどれ、とりあえず招待状を拝見するか、と。

え?誰?この人。

私の名前じゃないよ。

見覚えのない名前。

どっからどうみても私の名前じゃない。

「これ、松田香織様になってるべ」

 

 

 

親友

「そこは気にしなくていいから。アンタさ、出るつったんだから、出てよね」

 

「随分と強引な。それって、私がこの人の代理で出席すればいいの?」

 

 

 

 

親友

「違う、この人になりきって出席するの!!」

 

なりすまし?ご注意ください、フィッシング!

ちょっと待て。

とんだ演技派女優だよ。

レッドカーペットだよ。

オスカーバンザイ!オーマイガー。

つか、マジで?バレないの?

黙って座ってるだけでいいの?

バレたらどうすんの?

一目散にトンズラかい?

 

 

親友の不満

「ざっくり説明するとね、私の会社の社長の一人娘がさ、こんど結婚するんだけど、なんだかんだで、娘が勤めてる会社の社員が誰も結婚式に来ないのよ。

だからね、社員になってくれる人を探してるわけ」

 

なりすましてくれる人を募集中ってことな。

そういうことな。

 

 

 

親友の不満

「それでね、アンタさ、娘の会社の局様なのよ」

 

なのよって、ドラマの配役か!知らねえよ。やらねえよ。断る!!そんなん、断るに決まってんだろが。ほらほら、帰った、帰った!

 

 

 

親友の泣き顔

「えぇぇぇ、なんでぇ?どうしてぇ?もう社長にはアンタのこと、言っちゃったもん」

「ねぇ、お願いよぉ。一生のお願い!」

 

おいおい、アンタの一生は何回あんねん、生まれ変わりすぎだろが。

 

 

親友泣く

「ほんと、お願いします!社長に怒られるぅ。ね!バイト料、弾むから!」

 

ふん!簡単に金になびく女だと思ったら大間違いだわよ。

 

 

 

親友の不満

「じゃあさ、じゃあさ、アンタが好きな着物、なんでもレンタルしていいから!少々お高いやつでもいいから!バイト代も2倍にすっから、ね!どう?」

 

当時の私は友達数名と「着物部」という、しょぼいサークルを結成しており、季節に合わせて好きな着物を着るという、なんとも奥ゆかしい趣味を持った人物であったので。

 

その言葉に即、落ちた。

はい、喜んで、全力で、やらせていただきましょう。

ところで、どうして社長の娘さんの会社の人たちは誰も結婚式に来ないの?

 

 

親友の不満

「私にもわかんないの。だだ、社長がさ、娘の会社から誰も来ないから、誰か代わりはいないかって相談されてね、どうして来ないんですか?って聞きづらいじゃん」

ま、確かにな。ドロドロな昼のドラマ的なことかもしれないし、はたまた、大手の会社社長の一人娘で超ワガママだから嫌われてるのかもしれないし。

そこは気にしないことにしよう。

そして私は、高級着物レンタルで釣り上げられ、他人になりすますことを承諾した!

 

 

親友の笑顔

「で、話はまだ、あるんだけどさ」

 

え?まだ、なんかあんの?

 

 

親友にこにこ

「ついでにスピーチもやってくんない?」

 

結局、バイト料を割り増ししてもらうっつーことで、会ったことも話したこともない新婦の会社の局様となった私です。

披露宴でスピーチまでやることになってしまったのですけども。

親友から1枚の紙を渡されまして。

新婦がスピーチの際に話してほしい事が書かれていました。

 

 

とても明るくて仕事がテキパキできる女性

いつもお弁当を持参する家庭的な女性

ベタっちゃ、ベタですけどね。

仕事も家事もこなせるオンナ!それを披露宴にきてくれた人にアピールしたいんでしょうな。

オッケー、任せとき!

 

はいはい、こんな時はよくあるお祝いの言葉を並べてチャッチャッと話すのが吉。

「新婦は才色兼備で~なんでもツツガナクこなし~職場でも人気者で~」とな。

誰も真剣に聞いてないって。歯を浮かせてるつーの。

「これからは2人で力を合わせて幸せな家庭を築いてくださいね」決まった!

 

新婦の会社はABC証券(仮名)新婦の名は森山みどり(仮名)そんでもって私の名は松田香織(仮名)新婦の部署の主任です。

パイセンです。お局です。

えっと、私の名は?

もう忘れてちゃってるよ。

手のひらにでも書いとく?

 

さてさて、結婚式当日、駅の前のコンビニで他の4人の社員もどきと待ち合わせの指示を受け向かう。

なにせ、この4人とも面識がないので、ちゃんと会えるのかと心配したのですけど、わかるもんですね。

 

もちろん皆さん、服装がそれらしいからね。

めっちゃこっちを見てくるんで、すぐに「あ~アナタね」ってビビっとくる。

私、高級レンタル小紋だしね。おのずと目立つわけで。

 

1人は背が高くて細マッチョな男性。

推定30歳。無理やり芸能人に例えるなら、子役の鈴木福君かな。

後の3人は中肉中背、平均的女子。

可もなく不可もない。そ

れぞれ紺、薄いピンク、黒のパーティードレスに身を包んでの登場です。

 

今、私はこの4人の上司であります。

主任です。

駅前に送迎バスが来てまして、5人はひとかたまりになって乗り込みました。

心はひとつ!いざ、出陣じゃ~!

 

他の方もいらっしゃるのでね、

バスの中での他言は厳禁。

式場に近づくにつれ、心臓の高鳴りが止まらない。

私は誰だ?名前はなんだ?ドキドキ、ドキドキ。

他の4人を横目で見たけど、いたって冷静です。

クールです。

 

紺のドレスの子なんてバスの中でメイクしてるし。

余裕だな。

えっと、新婦の名は森山みどり、私の名は松田香織、新婦の名は森山みどり、私の名は松田香織・・・

私は呪いの呪文のように心の中で繰り返した。

ぜってー忘れちゃなんねぇ。

 

式場に到着して、受付で名前を書いてください、と案内されました。

指示通り、空のお祝儀袋を受付の方に渡してっと。

松田香織と名前を書く。

よっしゃ。

 

え?住所?

松田香織さんの住所?知らないよ。

どうしたらいいの?

そんな特記事項、聞いてないよ。

焦りマックス、変な汗が脇を濡らす。

筆を持つ手が震える。

私の後ろに並んでる女子社員の耳元でそっと聞いてみた。

 

「ねぇ、私、どこに住んでるの?」

完全に挙動不審。こんな質問、いまだかつて聞いたことがある?

 

しかし答えは

「さあ?」

ケンモホロロだよ。二

言で突き放すスタイル。も

ういいよ、知らないよ。

適当に書くよ。

こんな住所あんのかよって。

グーグルマップ困惑だよ。

 

「いや~最近、引っ越したばかりなんですよね、主任!」

テンパる私を助けてくれたのが鈴木福。

アンタ、なかなかやるね。

にしても、他3名の後輩女子は全く、使えねぇな。

 

会場の係員に案内され、チャペルに入りABC証券の社員もどき5名は横一列で着席。

オルガンの音と同時に扉が開き、初めてみる新婦の顔が参列者の間から見えた。いやね、勝手な想像で、申し訳ないんだけど、ぶっさいくだと思ってたのよ。

雪ん子か!つーくらいの色白でとても可愛らしい人だった。

 

ウエスト細めのふんわりしたウェデングドレス。

どうやらデキ婚ではないようです。お

父さんと腕を組みバージンロードを歩きます。

拍手に包まれています。

とてもとても幸せそうです。

 

私たち5人も拍手をしながら祝福しましょ。

新婦と新婦の父以外、誰も私達が無関係者だとは思ってません。

よし、バレてる様子はないな。

ここは参列者に紛れて、目立たないように、気づかれないように。

ちいさくパチパチパチ。

 

「おめでとう!みどりちゃん!」

大声で声をかけたのは鈴木福。

おい、こら!!ひっそりしてろ。

目立つなよ。

本気だすんじゃないよ。

 

式は順調に進み、いよいよ、指輪の交換。

新郎が緊張のあまり、右手に指輪をはめそうになると

「そっちは右手だぞぉ」

またしても鈴木福。

福の勢いが止まらない。

暴走をとめて。

もうね、君、チェンジしてほしい。

スタッフー、この男、チェンジーー!

讃美歌も声高らかに歌ってたし。

 

命からがら、やっとのことで式が終わり、5人は披露宴会場へ。

 

新婦から1番近い丸いテーブルに案内された。

ま、そうだよね。

身内でも友達でもない、私ら、新婦の会社の人だもの。

「主任!スピーチ頑張ってくださいね!」薄

いピンクのドレスを着た女子社員から役に徹した黄色い声援をいただいた。

 

ここは余裕みせとくわ、任せといて!の気持ちを込めて、にっこり笑顔でかえす。

内心、もう帰りたい。

ヒザがね、笑ってるんです。

ヒャッヒャッヒャッ

 

出席者が揃って、あたりが暗くなって。

いよいよ、新郎新婦の入場です。

2人で、あーでもない、こーでもないと選曲したであろう洋楽が流れ人生最大のイベントの始まりです。

スポットライトがふたりを照らします。

キラキラ眩しいです。

 

迫りくるスピーチの時間。

ヒザだけじゃなくて、ヒジも笑い出したよ。

ヒャッヒャッヒャッ

 

ああもう、急用ができました、今日のところはこれにてバイバイ。

ドロンで帰りたい。帰れない。

 

そんな気持ちをよそに披露宴は華やかに行われておりまして。

カンパーーイ!

それでは、皆様、ごゆっくりご歓談ください。

披露宴が少しゆるんだ感じになって、チラリと新婦を見たら彼女とガチで目があった。

初コンタクト!

 

彼女はクチパクでゆっくりと

「ありがとうございます」そう言った。

 

その瞬間、新婦と、ずっと前から知り合いだったような気持ちになったよね。

がぜんやる気がみなぎってきた。

ハッスルハッスル。

さあ、どっからでもかかってきなさい。

やったるでーー!! 

 

とはいえ、新郎の会社の社長さんが祝辞を述べたら、マイターン。

やはり、この胸の高鳴りは誰にも止められないのです。

もう心臓が飛び出してます。

今なら「マスク」のジムキャリーにも負ける気がしない。

ハートがバッコンバッコンつって。

 

さて、お次はABC証券会社、〇〇支店主任でいらっしゃいます松田香織様からお祝いのお言葉を頂戴いたします。

キターー。とうと、キターーー。

ヒザもヒジも笑ってる。

ヒャッヒャッヒャッケケケケケ。

ガクガクブルブルケケケ。

 

どうぞ、こちらへ。と司会者に呼ばれ、しゅっと立つ。

凛としなはれ!

レンタル小紋に背中を押され、しなりしなりとスタンドマイクのところまで約2m。

どうにか辿りついたと思った瞬間、スタンドマイクの床の支えにつまづいた。

カツン。

スタンドマイク、転倒。

 

オーケーベィビー!

どんなパフォーマンスだよ。

松潤かよ!

いや永ちゃんかよ!

今日はオレのために集まってくれてありがとう!ベィビー。

みんな、聞いてくれ、俺の魂を込めたスピーチを!

じゃなくて。

 

慌てて司会者がスタンドマイクを拾い上げ、所定の位置へ。

近視で裸眼でごめんなさい。

床がちゃんと見えなくて。

すみません。ほんっと、すみません。

 

「はい、それでは、松田様、お願いします」司会者は何事もなかったかのように進行した。

やっちまった感でウルウルになった目を新婦にむけ、私はスピーチを始めようと大きく息をすった。

 

〇〇ちゃん、結婚おめでとう!まずは、名前を言いたかったのだけど。

あれあれ?

新婦の名前が出てこない。

新婦の名は、なんだっけ。

もう、頭の中は真っ白け。

新婦さん、あなたの名前はなんですか~?

思い出せないんですけどーー。

あわわわわ。

 

新婦、笑顔でこっちを見てるけど、目が笑ってない。

これじゃ任務が果たせない。

 

「も~松田主任!緊張しずぎですって〜」

黒のドレス社員が駆け寄ってきて

 

「みどりちゃん、おめでとう!!」

薄いピンクのドレス社員もやってきて

 

「主任、ほらほら、せっかくスピーチ考えてきたんでしょ!」

紺のドレスの社員が私の背中をトントンと

 

3人の優秀な後輩に支えられながら、半べそかいて、どうにかスピーチを終えた。

新婦が嬉しそうに笑っていた。

大きな拍手に包まれた。

達成感と連帯感が私たちを包み込んだ。

ああ、我が人生に悔いなし。

感無量であった。

ていうか、鈴木福は?

腹いっぱいアルコールをあびて、グダグダになっていた。

やっぱり、お前はチェンジだ!スタッフーー。

 

最後まで、お付き合いくださりありがとうございました。

 

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