茶番劇バーリスク

やるしかないと思った。衝撃の恐喝事件を告白する!

投稿日:2017年5月16日 更新日:

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恐喝されたことあります?

俗に言う、カ・ツ・ア・ゲ。

中学生、高校生男子はゲーセンなんかで経験が、おありかもしれません。

え?あなた、やってた?おいおい。

あれは職場での送別会。全国チェーン的な居酒屋で行われた。

キレどころが全然よめない瞬間沸騰系上司が、めでたく定年退職されるという、気持ち晴れやかな心躍る会に参加した日のこと。

 

 

会費おひとり様5000円なり。

「さて、お開きです」と幹事が集めだし、あいよ!と5000円札を手渡した。

 

お釣りはいらね~ってね。

ほんじゃ、また!と上司の顔をみた。

 

仕事が趣味と豪語していた上司に、暇な退職後は瞑想と運動を薦めたい。

きっと新しい世界が君を待っている!とか思ったけど言わないまま解散となった。

 

私は、ひっそりと個人事業をやっている。

この日、送別会の後に仕事の打ち合わせがあった。

だから、アルコールは飲んでない。

つか、時間短縮のために車で来たんだった。

 

急げ!急げ!待ち合わせに遅れてはならぬ。

5分、いや10分前には到着の精神!

今時、どこの家がベッドメイキングやるんだよ、と思ったよね。

高校入学直後のオリエンテーション合宿。

そこで習ったでしょ?

5分前の精神ってやつ。

 

駐車場はその居酒屋の2階。

ビルの脇の鉄骨階段をカンカンカンと駆け上がる。

どのあたりに止めたっけ?

と見渡して、あっちのほうに車を見つけて駆け寄る。

 

待ち合わせ時間に間に合うかな?少し、慌てた。

 

駐車券はダッシュボード。

よし、出発!エンジン全開。

出口に向かう。

駐車場の出口ゲートにきて、駐車券を投入。

料金が表示された。

えっと、200円ね。

 

 

財布を広げ、小銭入れを開けてまずは100円を入れた。

そして、もう100円を手探りで探す。

あった、あった。

 

と、思ったら1円だった。

 

もう一度、手探りで探す。

 

よしよし、あったあった、と思ったら・・・

 

100円玉がない・・・

 

そして、札入れには、20ドル札が1枚。

なんでやねん。

 

精算中止!中止!中止ボタンを押すんだよ。

 

どれだよ、中止ボタン!

 

バックミラーをチラッとみると、黒く光る、いかつい車が、ゆっくり後ろに並んだのが見えた。

 

やっべ、あと100円、はよ。

どっかにあるはず!諦めるな!

 

係員を呼ぶ的なボタンもない。

 

あ!緊急時に備えてダッシュボードにがま口があったはず。

そう、それ。

京都で買ったピンクの和柄がま口!

あの中に500円玉が入ってる!

 

慌ててダッシュボードを開いて、がさがさ漁る。

がさがさ漁る。

漁る。

漁る。

 

みつかんねぇ。和柄がま口が、みつかんねぇよ。

 

ファーーン!

 

 

ここで、黒光りのいかつい車から、クラクションを1発、お見舞いされた。

恐る恐るバックミラーをみると、若いお兄ちゃんのようです。

そんなん確認してる場合か!

はよ!

 

運転席の下、

助手席の下、

マットの下、

100円玉を求めて、這いずりまわった。

 

どこにもない。1

00円玉がみつからねぇ。

死んだふりでもする?

ゲートを折って逃げる?

それとも、外にでてSOS手旗信号でも送ってみる?

 

あ、もしかしたら後部座席とかに、運よく100円玉が落ちてるっていうラッキーもあるよね。

後部座席に飛び移って、足元をくまなく探す。

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なまけもの、なまけものが舞い降りてきた。つ

か、なまけてないっつーの。1

00円玉だけを求めて一心不乱。

どんなに可能性が低くても、アナタの夢を諦めないで。

 

ファーーーン

 

はい、2本目、いただきました。

怒りのクラクション。

 

決心したね。

 

私、婦人警官じゃなくて良かったよ。

懲戒免職くらうとこだった。

「婦人警官が恐喝!」新聞の1面、いや、ヤフーニュースのトップを飾るところだったわ。

 

でね、車の外に出た。

待ってろよ、精算機!

 

なまけものスタイルのあたりから、ちょっと背中がつってしまい、背中を丸めて、フラフラ歩く。

痛みでしかめっ面。

冷や汗で髪はバラバラ。

暗闇から現れた。

あれ?

お化け屋敷かな?

 

黒光り車の運転席のところにヨロヨロと行く。

 

クローズの滝谷じゃないか!どこに売ってっかしらんけど、斜めに傾いた眼鏡がキラリと光った。

気が付けば、滝谷の車の後ろにも、後2台、車が並んでた。

オーマイガー。

 

ドンドンドン!

 

窓を叩いたら、滝谷の顔がひきつった。

「な、なんだよ」という声がした。

声が意外と高い。

声変わりしそこなった?

いや、そんなことはどうでもいい。

 

ひゃ、ひゃ、

 

100円、く、ください。枯れた声を絞り出す。

 

 

「あーん?100円がどうしたって?」いきってソプラノボーイ滝谷がいう。

聞きとろうと、少しだけ窓を開けた瞬間。

両手で窓をがっちり掴んだ、ぶらさがってしまえ、くらいの勢い。妖怪が窓にくっついてる。

 

100円くれ!

 

どういうわけか、なにモードのスイッチなのか、短い単語となって私の気持ちを表現してしまった。

滝谷の姿勢が引きだった。

ちょっと怯えている感触があった。

 

よし、このまま、もらってしまえ。

彼の恐喝バージン。

悪いようには、しないから。

 

滝谷は後ろポケットから財布を出した。

クロムハーツだかなんだか知らんが、そのようなシルバーごてごてのチェーンがついていた。

どんだけ厳重警戒なんだよ。

 

そして、小銭入れから100円を取り出すと

 

親指と人差し指で100円を摘まんで、

 

引きの姿勢をさらに引いて、

 

できるだけ近づかないような体勢にして、

 

無言で差し出した。

 

窓がね、10センチくらいしか、開いてないんですけど。

 

ビビってんじゃねぇよ。

 

もっと開けろよ。

100円に届かねぇよ。

妖怪は前のめり。

 

ツーーっと5センチほど、窓が下がった。

どんだけ怖がってんだよ。

 

摘まんだ100円にどうにか手が届き、めでたく100円をいただいた。

その瞬間、窓をツーーと閉めた滝谷であった。

 

滝谷君、あの時は本当にありがとう。

アナタの好意で私は無事、精算できました。

お付き合いくださり、ありがとうございました。

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