風船で宇宙の写真が撮れるなんて、信じられますか?
結婚式で風船を飛ばすイベントがありますよね。
バルーンリリースっていうらしいです。

宇宙の写真が風船で撮れるの?
去年結婚式に出席した時、上空をどんどん上がっていく風船を見送りながら、どのあたりで割れるんだろうと考えていました。
ヘリウムガスが入った風船は、どのくらいの高さで割れるか知っていますか?
富士山程度の高さまで上がるんだそうです。
その風船にカメラをつけて地球を撮影しようなんて。
この本を見つけたときは、冗談かと思いましたよ。
だって、風船ですよ。
しかも、帯に書いてあることが衝撃的!
「100円ショップやホームセンターで手に入るもので作る撮影装置を打ち上げ、やがて宇宙に手が届くまでの記録」
え?宇宙に手が届いちゃったの?マジで?
いつもなら、帰宅してからアマゾンで中古本を探すんですけどね。
その時ばかりはね。その場で新品を買っちゃいましたよ。
- 作者: 岩谷圭介
- 出版社/メーカー: キノブックス
- 発売日: 2015/09/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
なんでも分解してしまう小中学生だったという話に始まり。
自分が目指していた「ある人」の職業は無いと知った事から、自分のしたい事がわからなくなった高校生時代。
大学で学びたいことが決まらず浪人して考え、駅である広告を見て機械科に進んだものの、大学卒業の時も行く末が決まらず留年したこと。
留年中にネットでみつけた「大学生がふうせんで宇宙を撮ることに成功」というアメリカの小さなニュース。
その時、自分もやってみたい!と始めたのがきっかけらしいのです。
それって、どんな高価なパーツで作るんだろうって思ったんですけどね。
だって、相手は宇宙ですから。
うまく説明できないんですけど、お高いパーツが必要なのかなって。
そう思いませんか?
でもね、この岩谷圭介さんがおっしゃるには
100円ショップやホームセンターで、買ったもので作りました。
だそうです。
まあ、お金はないですよね。
だって大学4年生を留年中ですよ。
いや、これ。ご両親の理解があってのこと。
寛大なご両親ですね。
私がお母さんなら、コラーーー!つって、しばきますよ、きっと。
ここが凡人なんでしょうねえ。
やってみたい!と思ったからって、何度か失敗に終わったら諦めますよね。
私なら、よく頑張って3回かな。
しかし!岩谷さんは、小さな実験を含めると1000回を超える挑戦をしているそうです。
結果はどうあれ、失敗を繰り返しても、諦めずに挑戦を続けること。
どうすればいいか分からなくても、ゼロからの出発でも、一歩ずつ進んでいけば、少しずつではあっても、目標に近づけること。P22
1000という数字だけでも驚異的なんですけど。
コレ、どんだけ時間を費やしてるのかって話ですよね。
そりぁ、周りに色々と言われますよ。
嫌な気持ちにさせられるブクマの比じゃないでしょ。
面と向かって言われるんですからね。
「そんなことして何になるの?」
「時間も労力もお金も使って、しかも得るものもないんじゃないの?」
そんな事をたくさん言われたと書いてありますが、きっともっと酷いものもあったのではないかと思うんです。
悲しい思いも悔しい思いもしました。
失敗をするたびに、このような言葉は心に何度も刺さり、ことあるごとにフラッシュバックしました。
しかし失敗を繰り返すうちに、わずかですが小さな手ごたえを得ていたので、諦めませんでした。P25
ネバーギブアップ精神がスゴイ。
ここで大切なのは「手ごたえ」なんですね。
失敗に終わったけど、成功に近づく小さな手ごたえを掴んだという実感。
失敗は「やってみた」からこそ、得られるものです。
一度「やってみる」と、やる前とは全く違う次元にいくことができます。
これはやらなくては得られない、かけがえのないものです。P25
おっしゃる事はよくわかるんですけども。
なかなかその一歩がね、踏み出せなかったりするんですよね。
やってみて失敗したら、どうしようって不安になるんです。
その不安って、周りの目を気にしてるって事なんでしょうね。
失敗したら、なんて言われるのか考えたら怖いんです。
でも、それ以上にやりたい気持ちが勝てば、雑音は気にならなくなるんでしょうか?
アメリカのニュースをみて、自分もやってみたいと始めた「ひとり宇宙開発」
1号機からの数々のエピソードが綴られています。
糸をつけずに空に放つようになった4号機の奇跡。
11号機では1万6000枚を撮影して、まともに写っていたたった1枚の写真。
どの話も興味深くて一気に読んでしまいました。
コチラに公式サイトがあります。
- 作者: 岩谷圭介
- 出版社/メーカー: キノブックス
- 発売日: 2015/09/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を読んで、木村秋則さんを思い出しました。
あの「奇跡のリンゴ」の木村さんです。
- 作者: 石川拓治 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: Kindle版
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私は映画も観ました。
農薬に苦しむ奥さんのためとはいえ、家族を貧困に追い込んでも、リンゴに命をかけている木村さんの姿に、映画の途中はちょっと引いてしまいました。
それと同時に「努力は裏切らない」と感じたのですが、そこまでに辿り着くには超合金でできた精神が必要ですね。
不思議体験の多い木村さんの著書は全部、読みました。
まだ、読んだことがないという方!
最初にご紹介した岩谷圭介さんの著書「宇宙を撮りたい、風船で」と合わせて、読んでみてはいかがでしょう?
最後に岩谷さんの本で印象に残った文章を紹介します。
僕は他人を気にしすぎていたのかもしれません。
こうあるべきだ、こうしなくてはいけない、という常識にとらわれすぎていたように思います。
好きなことを追いかけることは別段悪いことではない。
こんな当たり前のことですら、素直に受け止められないほど、しがらみまみれだったのでしょう。
常識はどこから生まれてくるのでしょう。
人の人の間、多くの人が持っている認識、そして自分が教え込まれたことを常識としてとらえているのだと思うのです。
一度、常識を解体できると、色々と楽になる気がするのです。P125
最後まで、お付き合いくださりありがとうございました。